株とは？株の仕組みは？株式投資の初心者のための入門講座

この記事をご覧の方は、これから株式投資を始めようとしている方か株式投資の初心者の方だと思います。そんなあなたに質問です。「株」って何でしょうか？

こう聞かれるとはっきりと答えられる人は少ないのではないかと思います。株式投資を始める前に「株」と「株式投資」についての基本的な知識をおさえておきましょう。今回は「お金の天使」ミカちゃんと一緒に学んでいきます。

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まずはここから！株って何？株のしくみを知ろう

By: Simon Cunningham

ねぇねぇ神様！ミカも株式投資を始めてみようと思うんだけど、どの銘柄の株を買えば儲かるのかな？あと投資資金も貸してw

確かに、ミカちゃんもそろそろリスクのある投資を始めてもいいころだな。どの株を買えばいいかの前に、まずは株と株式投資の基本から勉強するといいだろう。ちなみにお金は貸さんよw

株の仕組み

まずは株の仕組みから教えていこうか。株を簡単に言うと「会社の所有権を分割したもの」ということなんだ。

え、じゃあ株を買うとその会社のオーナーになるってことなの？

そう、正確に言えばオーナーの一部ということだけどね。ミカちゃんがある会社の株を１株でも買ったとすれば、トヨタだろうがユニクロだろうがその会社のオーナー（の一部）ということになるんだ。株主になると「株主総会」に出席して会社の意思決定に関わることもできるし、利益から「配当」という分け前を得ることもできるんだ。

へぇ、そうなんだ。それってカッコいいね。じゃあミカが大好きなブランドの株を買おう！（笑）でもどうしてそんな仕組みが必要なのかな？

いい質問だ。会社は継続して事業を行うために、人を雇ったり材料を仕入たり工場を建てたり設備を買ったりと、たくさんのお金がかかるんだ。でもそのお金を1人で出すには大きな負担がかかる上に、万一倒産した場合のリスクが大きすぎるだろう？
だから、会社を所有する権利を「株」として分割してたくさんの人に買ってもらうことで、そうした負担やリスクを小さくするのが株の仕組みなんだ。

株式投資で儲かる仕組み

株の仕組みを学んだところでミカちゃんに質問だ。株を買うこと、つまり「株式投資」はどんな仕組みで儲かるのか分かるかな？

うん、株を買った後に買った値段よりも株の値段が上がるから？

そう、それを株式投資のキャピタルゲインというんだ。ただ、株式投資で儲かる仕組みはもう1つあって、それを株式投資のインカムゲインというんだね。

株式投資のキャピタルゲイン

株式投資で儲かる仕組みの1つは、株式投資のキャピタルゲインです。これは、株を買った値段より高い値段で売ることでその差額が儲けになることです。ミカちゃんもそうでしたが、「株式投資で儲かる仕組み」といえばキャピタルゲインをイメージする人が多いでしょう。

会社が事業をうまく運営して成長し大きな売上・利益を上げるようになると、「会社の価値」が上がっていきそれに合わせて「株の価値」も高くなっていきます。株の価値が高まっていくと、その会社の株を買いたい人が増えていくため、株の値段も上がっていくのです。

株式投資のインカムゲイン

株式投資で儲かる仕組みのもう1つは、株式投資のインカムゲインです。これは、会社が出した利益の一部を株主が分け前として受け取ることです。

株を発行した会社を「株式会社」といいますが、株式会社は利益の一部を「配当」として株主に分配しなくてはいけません。通常の株式会社ではこの配当は年に1回か2回あり、株主は定期的にお金をもらうことができるのです。

また他に「株主優待」という、株式会社が株主に対する「お礼」として自社の商品・サービスや商品券などを受け取れる場合もあり、これも株式投資のインカムゲインになります。

どうやって売買されるのか？株の売買の仕組み

By: Carol Pyles

株の仕組みも株式投資で儲かる仕組みも分かりました！じゃあ次は株の買い方を教えてください！

なかなか飲み込みのいい生徒だな。株を買うには2つの方法があるんだ。1つは、株式会社に出資してそのお金と引き換えに株を持つ方法。もう1つは、株を持っている人から譲ってもらったり買ったりする方法なんだ。
一般的な人が株を買うには、後者の「株を持っている人から譲ってもらったり買ったりする方法」を使う場合が一般的だ。

なるほど。ミカはブランドの株を買いたいんだけど、株を持っている人に頼んで売ってもらえばいいんだね･･･ミカが買いたいブランドの株を誰が持っているかってどうやって調べたらいいの？

そう、どこの会社が資金調達のために新規に株を売り出すのか、誰が株を持っていたり売ったり買ったりしたいのかを調べるのはなかなか大変なんだ。だから、そういった情報を集めて株の売買を円滑に行う仕組みが「証券取引所」なんだ。

証券取引所とは

証券取引所とは、株の売買を円滑に行うために作られた場所のことだ。ただし、証券取引所ではどんな株でも取り扱う訳じゃなく、ある程度大きな規模で決められたルールに基づき経営している会社だけなんだ。例えば決算書を定期的に公開して投資家に経営状況をきちんとオープンにしていることなどが求められる。

確かに、経営状況がまるで分からなかったら信用できないもんね。全ての会社の株が取引できる訳じゃないってことなんだね。

株価の決まり方

証券取引所で株価（株の値段）が決まるんだが、株価は基本的には一般的なモノと同じ様な仕組みで値段が決まるんだ。

一般的なモノと同じってどういうこと？店員が決めるの？

もちろん店員が決める訳じゃないよ（笑）。要は需要と供給のバランスで決まるということなんだ。例えば、今100円で取引されている銘柄の株があるとする。でも将来その株が150円とか200円の価値になりそうだと考える人がたくさんいると、その株を買おうとする人が多くなるから株価はどんどん上がっていくんだ。

なるほど、逆に今100円の株が将来80円とか50円に価値が下がりそうだと考える人が多いと、株価は下がっていくんだね。

約定（株の取引の成立）

株を売りたい人と買いたい人が希望通りの価格で証券取引所でマッチングされると、株の売買取引が成立する。これを約定と言うんだ。

ふん、証券取引所がマッチングしているっていうけど、どう売り注文と買い注文を結び付けてるんだろう？

基本的には以下の2つのルールにもとづき売り注文と買い注文をマッチングしてるんだ。

1. 最も高い「買い注文」と最も安い「売り注文」を結びつける
2. 同じ値段の注文どうしは、早い注文を優先する

そうなんだ！でも、毎日たくさんの注文をマッチングさせるのは大変そうだね。

もちろん実際にはスーパーコンピューターを使って、時間あたり何億とも言われる注文を短時間で処理して約定させて株式売買を成立させているんだ。

初心者でも簡単に始められる！株式投資の流れ

By: National Library NZ on The Commons

さて、株と株式投資の仕組みについてはだいたい分かったかな。では、実際に株式投資を始める時の流れを解説しよう。ここでは、便利に株を売買できるネット証券会社を前提に解説するからそのつもりで。株式投資を初めて始める場合の流れは以下のようになる。

1. ネット証券会社に口座を開いて入金する
2. 銘柄を選んで注文する
3. 約定する（取引が成立する）

1:ネット証券会社に口座を開いて入金する

株式投資を始めるためには、ネット証券会社の口座を開設申込することから始まる。ネット証券会社に口座を開いて入金する一連の流れは以下のようになる。

1. ネット証券会社に口座開設の申し込みを行う
   ネット証券会社のHP（たとえばSBI証券）から口座開設の申し込みをします。
2. 必要事項の登録・受取
   名前・住所・勤務先情報・出金口座などの必要事項をサイト上で登録します。その後、口座番号やログインパスワードなどが記載された書類が郵送されます。
3. 本人確認書類の送付
   証券会社で口座を開くには本人確認書類の送付が必要になります（ネット証券の場合はサイト上でのアップデートやEメールでのデータ送信なども可能です）。
   ※本人確認書類は、運転免許証・健康保険証・住民基本台帳カード・在留カード・特別永住者証明書などになります。
4. 口座に入金する
   金融機関での振込の要領で口座に入金します。

ネット証券ならインターネットで口座開設申込や本人確認書類のデータ送付ができるんだね。

2:銘柄を選んで注文する

口座を開いて入金すれば株を買うことができるようになる。もちろん、買った後はその株を売ることもできるようになるんだ。

ネット証券の画面から銘柄名や証券コードで検索して選ぶことができるんだね。ミカの好きなブランドを選んでっと。ん?、指値？成行？これって何、神様？

株を買う銘柄を選んだら証券会社に、どの銘柄の株を何株買うか「買い注文」を出すんだ。買い注文の方法には「指値注文」と「成行注文」の2種類があるんだ。

指値注文

指値注文とは株価（買いは上限・売りは下限）を指定して注文する方法の事をいうんだ。例えば「◯◯会社の銘柄を1000円で100株買う」「△△会社の銘柄を200株を1500円で売る」とかの注文が、指値注文になる。

ということは、「◯◯会社の銘柄を1000円で100株買う」という買い注文の場合は、1000円以下の売り注文があれば買えるってこと？

その通り。「△△会社の銘柄を200株を1500円で売る」の売り注文の方も同じように、1500円以上の買い注文が出れば株の取引が成立するんだ。

成行注文

成行注文は簡単で、株価を指定しないで注文する方法なんだ。株価がいくらでもいいから買いたいとか売りたい場合に使われるんだね。

株価を指定しないってことは、注文時点ではどの値段で買えるか売れるか分からないってこと？

そうなんだ。成行注文は、株価がいくらでもいいから買いたいとか売りたい場合に使われるんだね。また、「500円まで株価が上がれば買う」「1000円まで株価が下がれば売る」という、普通の指値注文とは逆の「逆指値注文」という注文方法もあるんだ。

単元株

それと株の注文を出す時に覚えていておいて欲しいのが「単元株」だ。単元株は株の売買取引の単位のことを言うんだ。

ミカの好きなブランドの株は単元株が100株なんだけど株価が1000円っていうことは、最低でも100株  1000円 ＝ 10万円なければ株を買えないってこと？

指値注文の場合はそういうことになるね。単元株は、だいたい1株単位・100株単位・1000株単位が一般的なんだ。

3:約定する（取引が成立する）

買い注文や売り注文が成立することを約定（やくじょう）といって、これで株の売買ができるんだね。

約定ね･･･神様質問です！指値の買い注文場合に希望の株価で売り注文がなかったり、逆に指値の売り注文に希望の株価で買い注文がなくて、約定しなかった場合はどうなるの？

通常は「その日限り」の注文になるので約定しなかったら注文自体が無かったことになる。もちろん、「いつまで指値で注文する」という指定も普通は可能だ。

いざ株式投資を始める前に！おさえておきたいポイント

By: Jacob Bøtter

神様、ミカも株と株式投資の初心者から脱出です！いよいよ株を買ってもいいでしょうか？

そうだな。ミカちゃんも株や株式投資の仕組みについて基本的な知識は身についたと思う。ただ、実際に株式投資を始める前におさえておきたいポイントがあるんだ。ここは大事なところだから、しっかりと理解しておくように！

株式投資はリスクがある投資だということ

株式投資を実際に始める前にまず覚えておいて欲しいのは、株式投資はリスクがある投資だということなんだ。

リスクって言うと、具体的にはどんなこと？

株は会社の価値を表しているものだから、会社の業績が悪化したり経営環境が変化して多くの人がこれから会社の価値が下がると考えると、株を買いたいという人が減り売りたいと思う人が多くなって、株価は下がってしまうんだ。あんまり下がると買った値段よりも安くなる、いわゆる「元本割れ」の可能性もある。

なるほどー。郵便局や銀行に預けていれば減ることはないけど、株式投資は元本が減ってしまう可能性があるんだね。

そうなんだ。雪印やライブドアのように、事件や不祥事で短期間で大きく株価が下がることや倒産で価値がゼロになってしまうということも現実に起きているんだ。だから株式投資はリスクがあるということを忘れずに、余裕資金の範囲で行うことが大事なんだ。万一の事が起きてもなんとか生活を維持できるようにしなければならないんだね。

投資の目的と目標金額を明確にしよう

それと、株式投資を実際に始める時には株式投資の目的と目標金額を考えておいて欲しい。例えば、何十年もかけて少しずつ資産を増やしていき老後の資金をつくるとか、仕事を辞めて投資だけで生活していきたいとか、お小遣い稼ぎをしたいとか、目的や目標金額によって投資方法や投資期間が変わってくるからなんだ。

たしかに、何千万円もの金融資産を作りたい人と月に数万円儲けたい人では、全然目的や目標金額が違ってきますもんね。ミカはやっぱり少しずつでもお金を増やしたいかな

その通り！投資の目的や目標金額を考えることによって、求めるリターンと許容すべきリスクが明確になる。ローリスクで長期的な投資を行うべきか、短期間で売買を繰り返すハイリスクな投資を行うべきかが決まってくるんだね。

自分の投資スタイルを確立する

実際に株式投資を始める前におさえておきたいポイントの最後は、自分の投資スタイルを確立することだ。これも、株式投資の目的と目標金額と同じく「こうしなければならない」という事はなくて、自分に合ったスタイルで投資することが大切なんだ。

ふむふむ、投資スタイルね･･･。で、投資スタイルって何？

株式投資の投資スタイルは株を売買する頻度によって、デイトレード・スイングトレード・中長期の投資に大きく3つに分類できるんだ。株式投資の初心者には「中長期の投資」がおすすめだ。

まとめ

今回は、「これから株式投資を始めようとしている方」や「株式投資の初心者の方」に「株」と「株式投資」についての基本的な知識を解説しました。

• 株の仕組み
• 株の売買の仕組み
• 株式投資の流れ
• 株式投資を始める前に

についてまとめています。株と株式投資のの基本知識を身につけたら、ネット証券に口座を開設して株式投資を始めるといいでしょう。ただし、株式投資はリスクのある投資であることを忘れずに計画的に投資しましょう。

株式投資に関心のある全ての方に役立つ記事になれば幸いです。