証券会社で信用取引口座を開設することで、株の信用取引ができるようになります。信用取引は大きな儲けが期待できますが、投資金額以上に損することがあるので注意が必要です。
そこで今回は「株の信用取引の仕組みやメリット・危険性」などについて解説します。株式投資の初心者の方はリスクを十分に理解した上で、信用取引を行ってください。
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株の信用取引とは?仕組みを解説
株の現物取引
現物取引 | 内容 | 株価と損益 |
---|---|---|
現物買い | 株を持っている人から売ってもらい買う | 取引後に株価が上がれば儲かり、下がれば損する |
現物売り | 持っている株を欲しい人に売る | 取引後に株価が上がれば損して、下がれば得する ※実際に得したり損したりする訳ではない |
なお、お金の神様では現物買い・現物売りする時のポイントや注意点を別記事に詳しくまとめています。あわせてお読みください。
お金の神様記事 「株式投資の初心者が初めて株を買う時・株を売る時の注意点3つ」
株の信用取引
信用買いの概要と特徴
信用売りの概要と特徴
信用取引 | 内容 | 株価と損益 |
---|---|---|
信用買い | 証券会社から資金を借りて買う | 取引後に株価が上がれば儲かり、下がれば損する |
信用売り | 証券会社から株を借りて売る | 取引後に株価が上がれば損して、下がれば得する |
株の信用取引のメリットとデメリット・危険性
信用取引のメリット
- レバレッジ効果を得られる
- 株価の下落局面でも利益を出すことができる
- リスク無く株主優待を得られる
レバレッジ効果を得られる
株価の下落局面でも利益を出すことができる
リスク無く株主優待を得られる
株の信用取引のデメリットと危険性
信用取引のデメリット・危険性
- 金利や貸株料などのコストがかかる
- 6ヶ月以内の清算義務
- 追証発生の可能性
金利や逆日歩などのコストがかかる
6ヶ月以内の精算義務
追証発生の可能性
委託保証金
信用取引は証券会社から資金や株を借りて行います。投資家は信用取引で証券会社から資金や株を借りる担保として「委託保証金」と呼ばれるお金や株式を証券会社に差し入れなければなりません。
この委託保証金は、信用取引の額に最低委託保証金率という証券会社によって定められた一定の割合をかけた額で計算されます(SBI証券の場合は20%)。信用取引で含み損が生じた場合は、その含み損の額が委託保証金から差し引かれます。
追証とは
追証(おいしょう)とは、追加保証金の略です。
信用取引により含み損が出ている場合(委託している現物株の評価が下がった場合も含む)などに、実際に証券会社に委託している委託保証金が、必要な委託保証金の額(信用取引の額に最低委託保証金率をかけたもの)を下回った場合に、その委託保証金の不足分を追加で証券会社に差し入れる必要があり、これが追加保証金です。
追加保証金は期間内に差し入れる必要があります。その期限までに追加保証金が差し入れられなければ、証券会社が強制的に決済を行ってしまうため損失が確定してしまうのです。
株の信用取引を行うには?信用取引口座を開設
株の信用取引を行うためには、証券会社に信用取引口座を開設する必要があります。
ネット証券会社の信用取引手数料の比較
信用取引口座をどこの証券会社で開設するかについては、投資しようと考えている金額や頻度に応じて、手数料を考慮して決めると良いでしょう。代表的なネット証券会社の信用取引手数料をまとめました。
多くの証券会社が、1回の取引あたりと1日定額の信用取引手数料の2つの仕組みを用意しています。
1回あたりの信用取引手数料
ネット証券会社 | 約定金額・信用取引手数料 | ||||
---|---|---|---|---|---|
10万円 | 20万円 | 50万円 | 100万円 | 200万円 | |
松井証券 | 0円 | 300円 | 500円 | 1,000円 | 2,000円 |
SBI証券 | 139円 | 185円 | 272円 | 487円 | 921円 |
楽天証券 | 250円 | 250円 | 450円 | 450円 | 450円 |
カブドットコム証券 | 99円 | 179円 | 449円 | 760円 | 940円 |
マネックス証券 | 100円 | 180円 | 450円 | 1,000円(成行) 1,500円(指値) |
約定金額の0.1%(成行) 約定金額の0.15%(指値) |
GMOクリック証券 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 |
1日定額の信用取引手数料
ネット証券会社 | 約定金額・信用取引手数料 | ||||
---|---|---|---|---|---|
10万円 | 20万円 | 50万円 | 100万円 | 200万円 | |
松井証券 | 0円 | 300円 | 500円 | 1,000円 | 2,000円 |
SBI証券 | 96円 | 191円 | 429円 | 762円 | 1,162円 |
楽天証券 | 429円 | 429円 | 429円 | 858円 | 2,000円 |
カブドットコム証券 | 無し | 無し | 無し | 無し | 無し |
マネックス証券 | 2,500円 | 2,500円 | 2,500円 | 2,500円 | 2,500円 |
GMOクリック証券 | 100円 | 210円 | 210円 | 420円 | 735円 |
デイトレーダーのように1日に複数の取引を数多く行うような投資家は、1日あたりの信用取引手数料が安い証券会社を選び、そうでない投資家は1回あたりの信用取引手数料が安い証券会社を選ぶと良いでしょう。
なお、証券会社には「口座開設基準」と呼ばれる一定の条件があり、それを満たす方だけが信用取引口座を開設できます。
まとめ
今回は「株の信用取引の仕組みやメリット・空売りの危険性」などについて解説しています。
- 株の信用取引の仕組み
- 株の信用取引のメリット
- 株の信用取引のデメリット・危険性
- 信用取引口座について
についてまとめています。信用取引のリスクを十分に理解した上で、証券会社で信用取引口座を開設して信用取引を始めてください。