今や利用したことがない人のほうが珍しいサービス、Amazon。
- 家にいながら
- 店よりも安く
- 注文から次の日にはだいたい届く
という文句のつけようのないサービスでファンを獲得してきました。
お金の神様運営チームでもAmazonを愛用している人が多く、毎月10万円近く買い物をする人も珍しくありません。
アメリカの企業でありながら日本でも大成功を収めているAmazonですが、CEOのジェフ・ベゾスがどのような経営をしてサービスを伸ばしていったのか、大成功を収めたのかは意外と知られていません。
本記事ではAmazonCEOのジェフ・ベゾスの成功要因について迫ります。
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①ジェフ・ベゾスが起業を決意した経緯
日本と違ってアメリカは非常に広い国です。
車で移動するだけでも何時間とかかってしまうため、インターネットが発達する前から通信販売が盛んでした。
そこでインターネットが発達し始めた時にアメリカで当たり前であった通信販売をインターネットでできるようにしようと考えたのがジェフ・ベゾスだったのです。
今でこそ当たり前であるパソコンやスマートフォンで買い物をするという行為ですが、1990年代初頭のインターネットが発達し始めた黎明期に、ありとあらゆるものをインターネットで買える会社を作るというビジョンをもって作ったサービス、それがAmazonなのでした。
Amazonを創業する前のジェフ・ベゾスは、ウォールストリート(アメリカにある世界の金融の中心とされる名前)の有名な投資ファンド会社である「D.E.ショウ」で28歳の若さで役員に抜擢されるほど優秀な人物でした。
年収も非常に高く、誰もが羨むエリート街道を歩いていたジェフ・ベゾスですが、毎年毎年30倍ものスピードで成長していくインターネットの世界に魅力を感じて起業を決意します。
ちなみにAmazonという名前ですが、
- 電話帳はABC順に並んでおりできればAから始まる会社にした方が調べてもらいやすい
- 世界最大の買い物サイトを目指すビジョンと世界最大の川であるアマゾン川がリンクする
という2つの理由から決めたそうです。
②ジェフ・ベゾスが最初にAmazonで本を売ろうと思った理由
今でこそ様々なものが買えるAmazonですが、設立してからしばらくは本だけを取り扱っていました。
実はジェフ・ベゾスは最初から「地球上で最も豊富な品揃え」というビジョンがあったのですが、まずは本だけから販売したのです。
なぜか?それは2つの理由があります。
1:本はどこで買っても同じ
インターネットが世の中に普及してきて間もないころは、インターネットで物を買うという行為を起こすのには非常に勇気のいることでした。
「インターネットで買ったものが思っていたものと違うものが届いてしまったらどうしよう」という不安が大きかった時代です。
でも本であればどこで買っても同じなため、インターネットでも安心して買うことができるだろうと考えたのです。
Amazonで本を買うという行為が普通になった時、他のものも売ることができるとジェフ・ベゾスは考えたのです。
2:本は売れてから出版社に代金を払うまでに3ヶ月もの時間がある
本独特の仕組みなのですが本は仕入れた時にお金を払う必要はないのです。
本屋で売れたら出版社に売れた分だけ払えば良く、売れなくて返品した分の本の代金は払わなくて良いという委託販売制度があります。
本屋で本が売れてから出版社に代金を払うまでに3ヶ月程度の時間があるので、Amazonは常に現金がたくさんある状態を作りやすかったのです。
現金がいつも会社に多くある状態というのは会社を経営していく上で大きな大きなメリットです。
ジェフ・ベゾスはそこまで計算をして本に着手したのです。
③Amazonが作って当たり前になった理論とサービス
Amazonが見つけだした理論やAmazonが初めて当たり前になったサービスはたくさんありますので、抜粋してご紹介します。
成果報酬型広告(アフィリエイト)
アフィリエイトという成果報酬型広告の仕組みを作ったのはAmazonだという説が有力です。
アフィリエイトとはウェブサイトで紹介した商品がリンク先で売れた場合、ウェブサイト運営者に報酬が払われる広告の事を言います。
下記リンクをクリックして、「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」をあなたが買ったらお金の神様に報酬が支払われるのがアフィリエイトの仕組みです。
[amazonjs asin=”4822249816″ locale=”JP” title=”ジェフ・ベゾス 果てなき野望”]Amazonを設立して1年ほど経った1996年にジェフ・ベゾスが参加したホームパーティで、ある女性から「自分のウェブサイトで離婚に関する本が売りたい」と話をしたのがアフィリエイトを思いつくきっかけになったそうです(出典)。
どこの誰かに商品を紹介してもらってAmazonの売上に貢献してもらい、貢献した分に対して報酬を払うというWin-Winの仕組みをジェフ・ベゾスは作ったのです。
ロングテール理論
一般的なお店では商品の棚には限りがあるので、売上の良い商品をなるべく揃えることが大事でした。(20%の商品が80%の売上をもたらすなどの80:20で別れる理論ことをパレートの法則といいます。)
そのためあまり売れない商品はお店には並べられにくかったのです。
しかしAmazonなどのインターネットを利用したお店はたくさんの商品をお客さんに見せることができるため、年に数個程度しか売れないようなものでも検索結果にヒットさせてお客さんに見せることができます。商品の種類を豊富にすることで、結果的におおきな売上をもたらすことをAmazonは発見しました。
この理論をロングテール理論と言います。
1-Click注文
Amazonではクレジットカードと商品の届け先を登録しておけば、ワンクリックで買える1-Click注文と言われる注文方法があります。
これはAmazonが開発して特許を取ったので、楽天やヤフーショッピングなどのサービスでは取り入れることができないのです。
1-Click注文で購入する確率が飛躍的に上がったというデータがあります。
その他
その他のAmazon発のサービスは下記のようなものがあります。
- マーケットプレイス
→古本や中古のCDなどを小売店がAmazonで売ることができるサービス。Amazonの検索に商品を載せることで小売店が売上が上がり、Amazonは手数料が入るという仕組み - オススメ紹介
→「この商品を買った人はこんな商品も買っています」と表示されるのもAmazonが最初にはじめました。
これからのAmazonとジェフ・ベゾス
2016年11月現在、世界の時価総額(会社の大きさを表す指標)ランキングトップ10は下記のようになっています。
順位 | 企業名 | 時価総額 |
1位 | アップル | 605億ドル |
2位 | グーグル | 547億ドル |
3位 | マイクロソフト | 465億ドル |
4位 | フェイスブック | 376億ドル |
5位 | アマゾン | 375億ドル |
6位 | バークシャー・ハサウェイ (ウォーレン・バフェットの会社) |
355億ドル |
7位 | エクソンモービル | 345億ドル |
8位 | ジョンソン・アンド・ジョンソン | 317億ドル |
9位 | ゼネラル・エレクトリック | 260億ドル |
10位 | アリババ | 251億ドル |
(ちなみに日本のトップはトヨタ自動車で29位、175億ドルです。)
引用元:世界時価総額ランキング2016 ― World Stock Market Capitalization Ranking 2016
Amazonを世界5位もの企業に育て上げたジェフ・ベゾスですが、更に飛躍をするために超えなければならない壁があります。
フランスの反アマゾン法
Amazonのサービスが普及して誰もがAmazonで買い物をするようになり、フランスでは街の書店は次々と潰れていきました。
そこで街の本屋を守ろうということで「送料無料での本の販売を禁止する」という反アマゾン法ができました。
反アマゾン法に対して、送料を1円にするなどの対策をAmazonが行いましたが、今後も実店舗との軋轢は増えていきそうです。
「Fire Phone」の失敗
Amazonが開発して販売した「Fire Phone」が、2014年4~6月期Amazon赤字の原因となったと言われるのほどの失敗と言われています(参考:Amazonのジェフ・ベゾスCEO入魂の「Fire Phone」はなぜ失敗したのか)。
この失敗を糧にスマートフォン事業で反撃の狼煙を上げることができるのか、非常に興味深いです。
最後に
カリスマ性に溢れたジェフ・ベゾスですが、倹約家としても知られており未だにエコノミークラスで移動することも珍しくないそうです。
となりの億万長者― 成功を生む7つの法則やビジョナリーカンパニー2という有名な本に描かれている人物像とジェフ・ベゾスは非常にリンクします。
スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグのようにフォーカスされることは少ないですが、学ぶべきことが多い経営者であることは間違いないでしょう。
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