事業者向けのカードローンであるビジネスローンは非常に使いやすく、手軽に融資を受けることができる方法として近年広まっています。
ビジネスローンの主なメリットは、
- 銀行融資に比べて審査通過率が高い
- 無担保
- 保証人なし
- ATMでいつでもどこでも借入可
- 数日で借りれる
といったものがあります。
一方で銀行融資はしっかりとした目的(新規事業や設備投資、仕入れ、つなぎ融資など)がないと融資が下りることはありません。
そしてその目的を銀行の担当者が審査に回して、審査に通れば融資が実行されることになります。
銀行融資とビジネスローン、お金を事業目的で借りるという意味では同じですが、それぞれ一長一短があります。
本記事では銀行融資と比較しながらビジネスローンのメリットと審査を通すポイントにフォーカスして解説していますので、融資をうまく活用してより事業を反映させるための一歩を踏み出していただけたら幸いです。
スポンサーリンク
①ビジネスローンを利用した失敗事例
お金の神様ではビジネスローンを利用した26名の方に話を伺い、失敗事例をまとめました。
失敗事例1: 中長期的に資金を借りたので余計な金利を払うはめになったケース
部品メーカーを営んでいるのですが、資金が足りなくなったので友人が利用していたビジネスローンを利用してみました。
審査はすぐ終わり、3日程度で資金は調達できました。
ただ、弊社の場合は原料を仕入れてから売れる前に2ヶ月位かかるので資金ショートをしやすいのです。そのため金利の高いビジネスローンでは無駄な金利を払いがちになってしまいました。
もう5期も経営していたので、普銀行融資にしていれば、今利用しているビジネスローンの半分以下の金利で済んだかもしれません。
すぐに借りれるビジネスローンに行くのではなく、審査に時間はかかりますが低金利で大きく借りれる銀行融資にすればよかったなと後悔しています。
ビジネスローン金利の相場は年8~15%程度と一般的な銀行融資に比べて金利が高めのサービスです。
銀行融資の金利の相場は年1~4%程度なので、その差は倍以上。
長くお金を借り続けるならビジネスローンよりも銀行融資の方が無駄な金利を払わなくて済むのでお得になります。
失敗事例2: 自分が必要な金額を借りれなかったケース
営業代行業を営んでいます。
恥ずかしい話なのですが税金を払った直後に経理社員の横領にあってしまい、このままでは社員の給料と営業教材の買掛金が払えなくなりそうで困ってしまい、ビジネスローンを利用しました。
1000万円あれば十分だと思い、ビジネスローンに申し込んだのですが、審査の結果、翌日に融資がおりたのは400万円。
前期に2億円の売上があったので、1000万程度の融資は簡単におりるだろうと思ったのが間違いでした。
友人にあたって、残りの600万円を借りてきてなんとか乗り越えましたがヒヤヒヤしましたね。
ビジネスローンでは最大1000万円まで借りれることを推していますが、最初から1000万円借りれるケースはほとんどありません。
一般的に数百万円程度の限度額でスタートして、利用を続けていくうちに限度額が上がっていくという仕組みになっています。
そのため、最初から最大限度額まで借りることは期待しないでおきましょう。
失敗事例3: どうせ審査に通らないと思っていたのに格下の友人が通ったケース
個人事業主として、事業を起こしてから幸運なことに仕事に困ることはありませんでした。
そろそろしっかりとした事務所を借りようと思っていたのですが、コンサルティングは顧問契約が多く、最初に多額の資金がかかる事務所はなかなか手が出せずにもんもんとしていたのです。
ビジネスローンの存在は知っていましたが、「まだ決算も終わっていないし審査は通らないだろう」と思って最初から申込をしないでいたのです。
そんな時に私よりも後に独立して、売上も私より低い友人がビジネスローンの審査にとおって150万円の融資が下りたと聞いて驚きました。
そこで早速ビジネスローンに申し込んだのですが、すぐに審査が通り、二日後には融資が受けれました。
もっと早くビジネスローンに申し込んでいたら、半年早く事務所を借りれてさらにビジネスがうまくいっていたのにと思うと大きな機会損失をしてしまったと後悔しています。
ビジネスローンは決算が終わってからじゃないと申し込めないと思っている方が多いですが、決算書不要のビジネスローンもたくさんあります。
審査が通るかどうかはビジネスローン業者次第ですので、資金が必要なら申込をしてみるといいでしょう。
②ビジネスローンで成功したケース
ビジネスローンを利用することでうまく行ったケースもご紹介していきます。
成功事例1: 毎月のように数日だけ利用したい場合
社員8名で人材教育業をしています。
社員の給料日が27日でクライアントからの入金日が月末という設定にしているため、毎月のように27日からの3日間程度資金繰りに困ることの連続でした。
そこで利用を始めたのがビジネスローンです。
いつも資金が必要というわけではなく、27日からの3日間だけ資金が足りない時に使うというスタイルで利用できるのが私にとって大きなメリットです。
1000万円借りたとしても3日後に返せば、金利はたったの6000円。
低いコストで資金繰りが良くなるのであったので、非常に重宝しているサービスです。
ビジネスローンの良い所は、ATMさえあればいつでもどこでもお金を借りることができることです。
銀行融資の場合は一度返したら、すぐにまた借りるのは難しいですし、借りようと思ってもまた審査を通すので借りれるかどうかもわかりません。
ビジネスローンなら一度契約してしまえば、貸し借りは自在です。
成功事例2: すぐにお金が必要な場合
長年取引しているクライアントからの入金が遅れてしまい、資金繰りに困ってしまった時があります。かなりお世話になっているクライアントなので、催促もできず、、、。
ただ5日後には支払わなければならない取引先があったのでどうにかしなければなりませんでした。
銀行に相談してもすぐには融資が下りないと言われ、困っていた時に利用したのがビジネスローンです。
申込をして次の日には200万円の融資がおり、ほっとしたのを覚えています。すぐ借りれるとは知っていましたが、本当にすぐ借りれると嬉しいものです。
一度ビジネスローンのカードを作っておけば、今後同じような事態が起こったとしても安心して対処できるのも魅力です。
ビジネスローンは申込から融資までが最短翌日に実行されるスピードが魅力です。
事業を行っていく中で大至急お金が必要になる時もあるでしょう。そんな時に活躍してくれるのがビジネスローンです。
成功事例3: 銀行では融資してくれない目的の場合
福利厚生の社員旅行目的でビジネスローンを利用しました。
年に一度の社員旅行でいつもみんな楽しみにしてる旅行なので、業績はいまいちでしたがどうしても外したくなかったのです。
銀行では「設備投資などの目的じゃないと融資は下りにくい」と言われ、旅行中止も考えましたが社員のモチベーションアップのためにどうしても行きたかったのです。
そこでダメ元でビジネスローンを申し込んでみました。
事業性資金であれば資金使途は自由だったので難なく融資がおりて無事に社員旅行を楽しむことができました。
社員旅行を機にクライアントも増えて、社内の雰囲気もとても良くなりました。
ビジネスローンは事業性資金であれば資金使途は自由です。
銀行では借りにくい目的がある場合でもビジネスローンなら借りることができます。
③ビジネスローンの審査を通すポイント
ビジネスローンに限らず、銀行融資でも日本政策金融公庫の融資でも審査で明確にしたいことは、
貸したお金がしっかり返ってくるのか
ということです。
しっかりお金が返ってくる企業、個人事業主にはいくらでもお金を貸したいですし、返ってこないなら1円だって貸さないのです。
では「貸したお金がしっかり返ってくるのかどうか」の評価を上げるためにできることを解説していきます。
1: 審査の内容を理解する
ビジネスローンではどのような面から審査をするのかまずは理解していきましょう。
- 決算資料
→ビジネスローンでは基本的に決算書、もしくは代表者の確定申告書の提出が必須です。決算書、確定申告書では売上ではなく、営業利益を見られます。 - 事業歴
→同じ利益率だったとしても事業を起こして、1年目と20年目では信用度が違います。事業歴は基本的に長いほうが審査上有利です。 - 他社、他行からどれだけ借りているか?
→ビジネスローンに申込をすると信用情報機関というところに問い合わせて、他社からの借入額や返済遅延の有無などが調べられます。 - 貸借対照表
→決算書に付随する情報ですが貸借対照表を見て、保有資産を見られます。現金だけでなく、不動産や売掛金、設備などもチェックされます。 - 事業内容
→安定しやすい事業なのか、不安定な事業なのかもチェックポイントです。免許や資格などが必要な事業(医者や弁護士など)だとより高く評価されます。 - 税金
→税金をしっかり払っていることは非常に大切なことです。 - 代表者の信用情報機関
→ビジネスローンでは代表者が連帯保証人になりますので、代表者の個人的な借金や返済の遅延なども審査に影響を受けます。
一般的に大事だと思われているが実は審査に関係ないこと
「代表者の人間性」が審査に関わるという噂がありますが、銀行融資と違ってビジネスローンは基本的に面談などはないため人間性によって審査が左右されることはまずありません。
2: 正直に情報を入力する
ビジネスローンの申し込みフォームには年商や創業年月日、不動産をもっているかなどを入力する必要があります。
ビジネスローンは
- 申し込み
↓ - 仮審査(入力した情報を元にした審査。これに通れば虚偽などがない限り借入できる)
↓ - 本審査(ここで必要書類を提出します。)
↓ - 借入
という流れになりますが、申し込みで入力したことはのちのち必要書類の提出をして整合性を求められます。
見栄を張ったり、審査に通りやすいように年商を多く申告したりすると逆に審査に通りにくくなるので注意しましょう。
3: 資金使途をしっかりと考えておく
ビジネスローンは資金使途は自由ですが、審査の一環で電話がかかってくることがあります。
その時に資金使途は聞かれることがあるので、ビジネスローンを利用する目的をしっかりと考えておきましょう。
4: ビジネスローン専用のサービスを使う
ビジネスローン以外にも様々なサービスをしているところよりもビジネスローンに絞ってサービス展開をしている方が使い勝手なども含めると有利です。
ビジネスローン専用の業者は下記のようなところがあります。
業者名 | 金利 | 最大限度額 (新規限度額) |
備考 |
AGビジネスサポート | 3.1~18% | 1000万 (500万) |
ビジネスローン最大手 |
クレストフォービズ | 6~18% | 300万 | 個人事業主専用 (法人不可) |
オリックスクラブカード | 8~14.9% | 500万 | 決算書不要 |
ビジネスパートナー | 9.98~18% | 500万 | 45日間無利息 |
ぞれぞれ詳しく解説しています。
ビジネスローン最大手:AGビジネスサポート
ビジネスローンの最大手はアイフルグループのAGビジネスサポートです。
カードローン会社が提供しているビジネスローンですので、非常に使い勝手が良いことが特徴です。
具体的なメリットは
- 年会費、入会金無料
→具体的な経費は金利のみです。 - 1000万円までの限度額
→新規は500万円までですが、他社のビジネスローンに比べると非常に限度額が高いです。 - 借りるも返すもATMから無料でOK
→振り込みなどで手数料がかけて返す必要がありません。 - 限度額までなら追加借入OK
→限度額まで繰り返し借りることができます。 - 最短で申込日の翌日には融資
→急な出来事にも対応できます。 - 総量規制対象外で他のカードローンなどよりも大きく借りれる
→プロミスやアコムでは年収の1/3までしか借りれませんがAGビジネスサポートでは年収は関係ありません。
などがあります。
ビジネスローンを検討しているのであれば1番オススメのカードローンです。
事業資金の借入、資金調達ならAGビジネスサポート
https://www.aiful-bf.co.jp/
個人事業主専用のビジネスローン:クレストビズ
日本で唯一の個人事業主専用のビジネスローンがクレストフォービズです。
300万円までしか借りれませんが、個人事業主で一度でも確定申告をしていれば申し込むことができます。
個人事業主に特化している分、審査もかなり融通が効くそうなので個人事業主の方で審査に不安な方は申し込んでみるといいでしょう。
個人事業主専用カードローン クレストフォービズ
http://www.orico.co.jp/business/loan/crestforbiz/
決算書不要で借りれるオリックスクラブカード
オリックスクラブカードは決算書不要で借りれる唯一のビジネスローンです。
事情があって決算書を第三者に見せれない方、まだ決算を終えていない方にオススメのビジネスローンです。
身分証明書と確定申告書だけ用意して申し込んでみてください。
決算書不要でスピード融資 オリックスクラブカード
http://orixcredit.jp/club/asp/03/index.html
45日間無利息のビジネス・パートナー
初回45日間は無利息で借りれるのがビジネス・パートナーです。
ビジネスローンで無利息期間を設けているところは非常に珍しく、無駄な金利を抑えたい方におすすめです。
45日間無利息のビジネス・パートナー
http://www.b-partner.co.jp/businessloan/campaign/top.html
④場合によってはビジネスローンではない方がいいことも
ビジネスローンは事業性資金に使えるというメリットがありますが、正直に言ってしまえば金利は若干高めです。
もし事業性資金じゃない形で資金調達がしたいなら、一般的なカードローンを利用したほうが賢い方法かもしれません。
たとえば低金利で有名な住信SBIネット銀行MR.カードローンは年利0.99~14.79%という超低金利で利用できるカードローンです。
もし資金使途が事業性資金でないのであれば、こういった一般的なカードローンも検討しましょう。
業界最低金利!住信SBIネット銀行 ミスターカードローン
https://contents.netbk.co.jp/lp/
⑤時間的余裕がある場合、お金をしばらくの間借り続けたい場合は他の方法を
ビジネスローンは金利が高いので、長く借りるのは不向きなサービスです。
他の融資方法と金利を比較してみましょう。
借入先 | 金利(年) |
日本政策金融公庫 | 0.4~1.4% |
制度融資 | 制度によるが1~4%程度 |
信用保証協会 | 1.4~2.7% |
商工中金 | 0.95~1.475% |
銀行融資 | 0.9~3.5% |
ビジネスローン | 8~15% |
※金利は目安です。
このようにみていくとビジネスローンの金利がいかに高いかわかると思います。
それに加えて限度額もビジネスローンは1000万円までと少ないですし、すぐ借りなければならない、借りたり返したりする必要があるならビジネスローンのメリットは大きいですが、事業性資金として長く借りるのは不向きなサービスです。
基本的に公的融資(日本政策金融公庫や信用保証協会、商工中金など)>銀行融資>ビジネスローンと言った形が一般的な優先順位です。
公的融資に関しては別ページでまとめていますので、下記ページを参考にしていただけたら幸いです。
まとめ ビジネスローンはすぐ借りれて便利だが金利が高め
ビジネスローンはATMなどでお金が下ろせたり、申し込みから翌日には融資が実行されたりと、非常に便利ですが金利は高めです。
時間的余裕があれば銀行融資や日本政策金融公庫などの公的融資などが良い場合もあります。
ご自身にあわせて、ビジネスローン、銀行融資、一般的なカードローンなどの資金調達方法を選んでいただけたらと思います。
スポンサーリンク
コメントを残す